「すべての基本は、中学教科書で学べる」

「すべての基本は、中学教科書で学べる」


社会人にでもなると、自発的な勉強の機会は、大幅に失われる。

業務上の資格試験などに追われている方もいるかもしれないが、そ

の試験科目だけの勉強に留まりがちで、その域を出ることは少ない

のではないだろうか。


筆者のようなブログを綴っていると、リアルな対人関係においては、

かなりの確率で、「オススメの本は何ですか?」と聞かれる。


筆者にとっては、「超オススメ」でも、別の人にとっては、「全く面白

くない」というのは、よく起きてしまう話なので、具体的な書名は、

あまり挙げないようにしている。


それでも、「知識や見聞を広げたいのですが。」と質問された折には、

「中学5科目」の総復習をするといいですよ、とアドバイスさせて

頂いている。


筆者は現在、学習塾の中学5科講師と、社会人家庭教師もしており、

人よりは、中学5科に詳しい。


その中で痛切に感じるのが、「中学5科」の学習の大切さである。


さすがに、日本では、「中学までは義務教育」と謳っているだけあっ

て、中学教科書の知的水準は、非常に高い


もし、社会人が、どれというワケではないけれど、「一般的知識を強

化したい」と思うならば、中学の教科書は、それに「うってつけ」

ある。


例えば、社会科の歴史の教科書をとってみても、筆者の中学時代

よりも、格段に表記、見やすさが倍増している。


筆者も、もっと中学時代に、いろいろ広範囲に勉強していたら

良かったな、と思うくらいだが、

(もっとも、プロフィールに記載のあるように、筆者は中学時代の長

期休みに、1日14時間は勉強していたのだが)

30代半ばの今からでも、全然遅くはない


何事も、やることをあきらめてしまった時が、退化の始まりだ。

始めることをあきらめなければ、いつからだって勉強はできる。


また、例えば、「日本経済新聞」を購読しているビジネスパーソンも

多い。

しかし、「日本経済新聞」を購読して、果たして、どこまで深い

理解を得られているかと言えば、はなはだ疑問な方も多いのでは

ないだろうか。


「日本経済新聞」は、確かに情報の質、量ともに素晴らしいのだが、

それを理解するには、最低でも「中学公民の基礎知識」が要求される。

もっと言うと、「小学生の公民の基礎知識」も要求されると、筆者は

見ている。


公民だけでなく、「政治・経済・宗教」の基礎知識のバック

ボーン無しには、「日本経済新聞」の深読みは難しい


勉強の基本は、「いつでも基本に立ち返る」ことだ。

筆者が中学生時代、1日14時間勉強していた時も、常に基本を

大切にしていた。


「最高水準」の問題集も確かに解いてはいたが、基礎はかなり大切

にしてきた。


例えば、数学の文章題にしても、間違えた文章題に関しては、

最低10回、いや、時には20回くらい、ノートに模範解答を書写し

ていたし、理科の公式や法則に至っても、納得のいくまで、理論・理

屈をノートにまとめた。


英語に関しても、1単語につき、50回くらいは書いて練習して、

1年生の終わりには、中学で習う基礎単語は、すべて頭に

叩き込んでいたことを記憶している。


そうした作業を、長期休みにしていたら、自然と1日、14時間は

勉強時間が必要だっただけであって、無理して机にしがみついて

いたワケではなかった


勉強に関しては、「成せば成る」のだ。

それは、筆者が身をもって経験している。


もし、このブログの読者様が、

「なんでもいいから、今から勉強したい!」

と思うのなら、筆者は、「中学5科の再勉強」を、強くオススメする。


勉強に終わりなどないし、年齢的な限界も存在しない。

あの渡部昇一氏も、晩年のタクシー移動中は、「ラテン語の勉強」

充てていたという。


さらに、さすがに、「中学までは義務教育」なだけあって、

教科書のレベルがとても高い。


「教科書なんて」とバカにしていると、「逆にバカを見る」レベルだ。


ほかの参考書も、確かに必要だが、教科書だけでも、十分、独学でき

る。


筆者も、はじめは、中学生用の教科書を眺めているのが、なんだか

恥ずかしかったが、あまりに「発見すること」が多く、途中から

「恥ずかしさ」どころではなくなった。

「いつでも基本に立ち返れ」

生徒たちにこう言っているのだから、自分が実践しないワケには

いかない


また、国語の教科書などからは、すっかり大人になって忘れかけて

いた、「道徳」もしっかり学べる。

本当に基本的なこと、「あいさつをきちんとする」ことなども、

国語の教科書が教えてくれる。


中学教科書を、侮ってはいけない

そこから学ぶものは、非常に多い。


数年、数十年、触れていなかった方も、ぜひ、手に取って、勉強して

頂きたい。


新聞やニュースが、格段にわかりやすくなるだけでなく、

知識・見聞が総合的に底上げされる。


「本日のポイント」

「何かを勉強したいなら、まずは中学教科書」


2021年1月13日
安川 典孝

2021年01月13日