「四月は最も、残酷な月である」

「四月は、最も残酷な月である」

“April is the cruelest month.”

「四月は、最も残酷な月である。」

イギリスの詩人、T・Sエリオットの「荒地」の冒頭部である。


日本では、四月というのは、「年度初め」であり、「新入学」、「進級」、

「会社の新卒」に始まり、「部署移動」まで、何処か、気持ち新たに

なる季節、月ではないだろうか。


そんな、「始まり」だが、「始まる」以上は、必ず、「終わり」を迎え

る。


そんな、「終焉」の始まりに過ぎないんですよ、とも、何処か

ニヒルな要素を含んでいる一文ではないだろうか。


昨年、2020年には、四月には「緊急事態宣言」も発令され、

まさしく、「四月は残酷な月」となった。

今年の「四月」は、どんな月になるのだろうか。


コロナ禍はとどまることもなく、それぞれの、新しい門出を心から祝

えるわけでもなく、再び、「残酷な月」となってしまうのだろうか。


やはり、「始まり」は「終わりの始まり」で、そういった意味では、

「新しいものの芽生え」というのは、「最も残酷」なのか。


仏教の用語に、「四苦八苦」というものがある。

「人間のあらゆる苦しみ」のことだ。

「生・老・病・死」の苦しみと、そこにさらに四つを加えたものだ。


そう、仏教では、「この世に生を受けること」さえも、「苦しみ」の

一種と定義している。


確かに、そうであろう。


数々の苦しみに惑わされるのは、そもそも、「生」を受けたから

あって、その「生」が無ければ、そこに付随する苦しみも生まれない


しかし、この世に「生」を受けた以上は、やはり、その「生」を

まっとうしようではないか。


昨日(2021年1月15日)時点の報道では、コロナ第2波による

日本の自殺者が、大幅に増加してしまったという。


さらに収まる気配が無ければ、コロナによる生活苦で、自ら命を

絶つ人々は、さらに増加すると思われる。


そんな「絶望」、「不安」の時代だからこそ、「本を読もう」

巣ごもり期間の「今」だからこそ、「勉強」しよう


何度も述べてきているが、人間は、「言葉のチカラによってしか、

タフになれない。」

そして、「勉強を重ねることによって、精神も鍛錬されていく。」


「易き」に流れるのは簡単だ。


行き場がまるで、八方ふさがりになって、命を絶ってしまうのも、

案外、簡単だ。


しかし、本当に月並みな言い方かもしれないが、

「あきらめなければ、投げ出さなければ、案外、どうにかなる。」


筆者とで、30歳手前で大病をし、生死の境を彷徨った

あの時、あきらめていれば、投げ出していれば、こうして、この

ブログを通して、読者様との出会いも無かったのである。


「生」は、確かに、苦しいのかもしれない。

だからといって、悲観的に捉えてはいけない


明るい未来を信じて、突き進もう。


「四月は最も、残酷な月だ」

筆者も、22歳の四月に、就職先をもっと違うところに選んで、

社会人1年目の四月を迎えていたなら、と思うことがけっこう

あるので、この一節は、深く身に染みる


始まりは、「終わりの始まり」だが、「始まり」があることに、まず

感謝だ。

我々、人間も、父の精子と、母の卵子の、壮絶な生存競争の結果に

誕生している。


その奇跡に、感謝だ。


そして、筆者は、こうして文章を通じて、あなたと出会えたことに、

感謝だ。

お読み頂き、ありがとうございます。


「本日のポイント」

「生は苦しいからこそ、生き抜こう」


2021年1月16日
安川 典孝

2021年01月16日