「社会人こそ、哲学を学ぼう」
「社会人こそ、哲学を学ぼう」
「哲学」と聞くと、どこか小難しい印象を与える。
敬遠されしまいがちなのも、よくわかる。
しかし筆者は、社会人こそ、心して哲学を学ぶべきだと思う。
概して、人間には悩みが尽きないものであるが、人の抱えている悩みは、太古の昔から、実はたいして変わっていない。
社会人においては、
「人間関係がうまくいかない」、「失業した」、「給料に不満」、「上司が厳しい」、「部下が思うように育たない」、「転職したい」、「独立したい」などが主に考えられるところではないだろうか。
これは、現代に始まった悩みでは無いはずだ。
そう、あのソクラテスの時代から、集団で仕事をする人々は、誰も彼もが悩んでいたことである。
かといって、いきなり、ユングやカントの哲学書に触れるのは、少し違う。
哲学の「入門書」こそ、「最高の人生相談窓口」である。
言いまわしこそ小難しいものの、人間の抱える大抵の悩みには、哲学の先人たちが答えを出してくれている。
現代人の悩み、ストレスの多くも、かつて哲学者が哲学していた本質の域を出ることは少ない。
今こそ、哲学を学ぶ絶好の機会なのである。
あの、経営学の巨匠、ドラッカーの書物に至っても、実は極めてシンプルな、「原理原則の繰り返し」である。
激動の今だからこそ、過去の叡智に触れ、未来への活路を見出すべきである。
哲学の入門書は、それにうってつけである。
さらに、複数の哲学者の思想に触れることで、よりディープな、複眼的な思考を得ることができる。
新聞もそうだが、1紙の言うことだけ鵜呑みにしていると、必ず、思考に偏りが生まれる。
また、ネットニュースにばかり頼っていると、特定の物事を大きくとらえてしまいやすくなる。
ひいては、ヘイト系の思想も生みやすくなる。
いわゆる、ネットの持つ、「プリズム効果」である。
この、コロナ渦中の今、社会人こそ、哲学の入門書で、複眼的かつ論理的思考を身につけ、明日を切り開くひとつの手段を手に入れたいところである。
厳しい言い回しだが、過去から学べない人は、きっと何からも学べない。
「本日のポイント」
「哲学を学んでみよう」
2021年2月6日
安川 典孝